アメリカでは大麻(マリフアナ)の医療目的と嗜好品としての使用が州単位で合法化されている。医療目的使用は1996年にカリフォルニア州の住民投票で承認されたのを皮切りに23州で合法化された。嗜好品としての使用は、2012年にコロラド、ワシントン両州で初めて承認されたのに続き、14年11月に行われた住民投票でアラスカ、オレゴン両州でも承認され、計4州で合法化されている。アメリカで大麻が使われ始めたのは20世紀初頭。メキシコからの移民によって伝わったとされる。1930年代ごろから弊害論が強まるとともに使用を禁止する動きが出たが、鎮痛効果が認められて医療目的での使用も始まった。その一方で、60年代ごろから若者を中心に娯楽目的での使用が広がり、アメリカ国民の間で大麻への抵抗感が弱まっていった。合法化に向けた動きは、こうした流れの中から生まれた。ギャラップ社の世論調査では、2011年に合法化支持が初めて反対を上回り、13年には58%まで増えるなど、アメリカ国民の半分以上が合法化を支持している。