2016年11月8日(現地時間)に投開票され、共和党のドナルド・トランプ候補(70)が民主党のヒラリー・クリントン候補(69)を破り当選した。各州に割り当てられた選挙人総数538人のうちトランプ候補が過半数を上回る306人を獲得した(クリントン候補は232人)。大統領選挙では主要メディアがクリントン候補を支持し、支持率でもクリントン候補が一貫してリードを保ったためクリントン断然優勢とみられていたが、選挙結果は事前の予想を覆す大番狂わせとなった。公職経験のない候補者の当選は極めて異例。トランプ候補は選挙戦で「アメリカファースト(アメリカ第一主義)」を前面に掲げ「メキシコ国境に壁を構築」「環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱」など型破りの公約を連発し、現状に不満を抱く白人中間層の支持を集めトランプ旋風を巻き起こした。女性初のアメリカ大統領をめざしたクリントン候補はキャンペーンが盛り上がりを欠いたうえ女性の支持も伸び悩んだ。しかし、一般投票の得票数では民主党地盤のカリフォルニア、ニューヨークなど人口の多い州で大勝したクリントン候補が約6585万票(得票率48.0%)を獲得、約6298万票(同45.9%)のトランプ候補を約300万票上回った。17年1月6日、選挙人による投票が連邦議会で行われトランプ候補の当選が正式に決まった。