ロシア連邦の組織や運営の基本を定めた最高法規。現行ロシア憲法は、1993年12月の国民投票によって制定された。俗に「エリツィン憲法」とも呼ばれる。その最大の特色は、議会の多数決に依存する政党政治ではなく、大統領主導型の政治を目指そうとしていること。そのために、大統領に強大な権限を与えている。ロシア大統領は、国家元首、ロシア軍最高総司令官、安全保障会議議長を兼ねる。首相の任免権や国家院(下院)の解散権をもつ。国防相、外相、内相、検事総長ら「武力省庁」のトップも任命し、首相を通すことなく彼らから直接報告を聞く。議会の承認を経ずに大統領令(ウカーズ)を発布し、国家非常事態宣言を導入できる。大統領を弾劾するためには、きわめて難しい条件と手続きを満たさねばならない。