プーチン大統領(当時)は2000年5月13日、ロシア全土を七つの連邦管区に分割し、それぞれに大統領全権代表を置く大統領令に署名した。同全権は、大統領によって直接任命され、地方自治体の活動を監視する。エリツィン元大統領は、己の議会に対する権力闘争を有利にするために地方自治体を味方につける必要を感じた。結果として、地方自治体は多大な権限をもつ強力な組織となった。プーチン大統領は、そのようにして肥大化した地方自治体を弱める必要があると考え、就任早々、上記の大統領令を公布した。だが、それがどのくらい効果ある処置だったかについては、議論の余地がある。連邦管区の区分は軍管区のそれともほぼ合致していた。10年にメドべージェフ政権は南方連邦管区から切り離すかたちで八つ目の北カフカス連邦管区を創設し、アレクサンドル・フロポニン副首相を同管区の大統領全権代表の兼任に任命した。