プーチン政権下に民主主義が後退しているとの欧米諸国からの批判に応えて、同政権のイデオローグが提唱した新概念。欧米のロシア専門家たちは、ロシアの民主主義が上から「管理された民主主義」であるとの批判を強めている。そのような批判が欧米首脳からG8のサンクトペテルブルク・サミット(2006年7月)の席上で提出されるのを懸念した、プーチン政権の幹部ウラジスラフ・スルコフ大統領府副長官(現・第1副長官)が、06年6月28日の記者会見の席上、この概念を発表した。その内容は以下のとおり。(1)現ロシアの民主主義は、主権民主主義と名づけられる。(2)ロシア型民主主義モデルは、若干特殊なものとはいえ、欧米型から非常に異なるものではない。(3)民主主義の創造にあたっては、それぞれの国の伝統、文化、改革遂行の速度などを考慮に入れる必要がある。(4)ロシアが民主主義のどのモデルを選択するかに関しては外部から強制されるべきではない。