プーチン前政権の誕生やリトビネンコ暗殺事件によって話題を集めるようになった、旧ソ連時代の秘密警察KGBの後継組織。ソビエト政権の祖であるレーニンは、ロシア革命に成功すると直ちに秘密警察をつくった。彼自身が帝政打倒の目指す地下運動を行っていた時に、帝政側の秘密警察「オフラナ」によって何度も苦汁をなめさせられた経験があったからである。加えて、レーニンは、革命後のソビエト政権を維持していくためには、同政権の「目と耳」となる秘密情報機関が必要不可欠と信じていた。このようにして組織された秘密警察は、その後ソビエト時代を通じて様々な名称で呼ばれ、ポスト・ソビエト期の今日まで存続している。そのなかで最も有名な名称がKGB(国家保安委員会)であり、今日では主として連邦保安庁(FSB)と対外諜報庁(SVR)と名づけられる二つの機関によって継承されている。プーチン前大統領はKGBに16年間勤務し、一時FSB長官も務めた。