ロシア連邦初代大統領のボリス・ニコラエビッチ・エリツィンが、2007年4月23日、76年の生涯の幕を閉じた。エリツィンは、1931年にスベルドロフスクで生まれ、ウラル工科大学を卒業。共産党に入党し、スベルドロフスク州、モスクワ市の第1書記として活躍。ゴルバチョフによるペレストロイカ推進の速度が遅いと批判して、一度失脚したが、国民間の人気が高く、ロシア共和国大統領に返り咲いた。91年8月のクーデターに抵抗し、一躍英雄となった。12月末のソ連邦崩壊後、初代のロシア連邦大統領となり、96年に再選。心臓病などの健康上の理由から99年12月末にプーチンを後継者に指名し、引退した。民主化、価格の自由化、民営化などで功績を上げる一方、ロシア最高会議ビルの砲撃、チェチェン共和国への武力進攻など、権威主義的な統治スタイルなどで失政や誤りも目立つ。さらにソビエト時代への先祖返りを遂げつつある鬼子プーチンを産み落とした点の評価も含めて、最終的なエリツィン評価は今後に残されている。