ロシアのタンデム(双頭)政権が行っているロシア軍の再建と近代化。冷戦の終結とソ連邦崩壊によって、ロシアはアメリカとの軍拡競争を断念したはずだった。ところが最近数年の原油価格の国際的な高騰によって国庫が豊かになったせいか、ロシアは再び軍事予算を増大させ、兵器の近代化に熱心になりつつある。プーチン首相は、2008年8月のロシア・グルジア(現・ジョージア)軍事紛争のあと、09年のロシア国防予算を前年度のそれから一挙に27%も増額すると発表した。それから10日後に、メドベージェフ大統領もまた、同紛争を念頭において、「ロシア軍は近代化を促進する必要がある」と発言した。今後5年間で最新型の近代的な航空機・潜水艦、戦略ミサイルなど、軍の装備率の大幅な引き上げを図る。「トーポリM」型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)、その改良型の「RS-24」、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「ブラバ」は、そのような新型兵器の一例である。