2期8年(2000~08年)の「プーチン第1期」下に、ロシア経済が順調に推移したこと。国内総生産(GDP)の伸びは、毎年ほぼ7%台を記録した。そのおかげで、ソ連時代からの国際通貨基金(IMF)、パリクラブ(主要債権国会議)に対する債務なども、前倒しで完済した。外貨・金準備高は中国、日本に次ぐ世界第3位となった。しかし、BRICsの名で一括して呼ばれる新興躍進国のなかでも、その経済力はまだまだであった。たとえばGDPでは中国(世界3位)よりも小さく、ブラジル(11位)、インド(12位)をわずかに上回る10位。1人当たりのGDPはさらに小さく、ベネズエラ(53位)なみの世界52位(ともに2007年)。ロシアはとくに製造加工業部門において各国に後れをとり、全世界に向かって誇りうるブランド商品の創出にも成功しなかった。