プーチン政権下にロシアの特定国家目標を追求する目的で作られた国営の会社組織。大統領または内閣の直接統轄下に置かれて厳しく監督・管理される一方、税制その他の点では既存の基幹産業以上の特権的優遇措置に浴する。国家資本主義を推進しようとするプーチンのペット(愛玩)・プロジェクトだった。具体的には、7~8の国策会社が創設された。兵器輸出を独占するロステフノロギー、対外経済銀行、ナノテクノロジーの発展を目的とするロスナノテク、2014年のソチ冬季オリンピック開催を準備するオリンプストロイ、国道の舗装を担当するアフトドル、など。ところが09年8月、メドベージェフ大統領は、部下に国策会社の必要性の調査を命じたところ、同年10月、国策会社がらみの犯罪が多発しているとの報告書を受け取った。同大統領は、11月の第2回教書演説中で国策会社の廃止または私企業への再編の方針を打ち出した。