「インターネット狂」とあだ名されるメドベージェフ大統領、彼の側近、支持層を指して用いられる。それに対して、プーチンの支持層は「テレビ党」と呼ばれる。現ロシアでインターネット利用者の数は爆発的に増大しつつある。2010年末時点で、5700万人と推定され、これはロシア全人口、1億4290万人の約40%に当たる。14年ころまでには、8000万人に達すると予想される。ネットを用いるロシア人のなかには、インテリ、若年層が多い。しかしだからといって、ネット利用者の増大イコール政治的関心者の増大、ましてやリベラルな思想の持ち主の増大と考えるのは、やや短絡的である。ネット利用者は、インターネットを必ずしも政治・外交関連の情報を入手するソースとして用いるとは限らないからである。彼らの多くは、インターネットをむしろ健康、スポーツ、旅行、娯楽関連の情報を得る手立てとして利用する。とはいえ、11年12月から12年春にかけてロシア全土にわたる反プーチンの抗議デモを繰り広げたロシアの中間層の中心を形成したのは、事実上「インターネット党」に属する人々であった。