自らは独立国家であることを主張しているものの、国際的な承認を獲得していない国家。旧ソ連邦崩壊後に誕生した独立国家共同体(CIS)加盟の諸国のなかには、そのような分離独立を望む地域を抱えている国がいくつかある。たとえばグルジア(現・ジョージア)では南オセチア、アブハジア、モルドバではロシア住民が多く住むドニエストル地域、アゼルバイジャンではナゴルノ・カラバフ共和国。とりわけこの存在が注目を浴びたのは、2008年8月勃発(ぼっぱつ)のグルジア―ロシア間の軍事衝突(「5日間戦争」と呼ばれる)の時であった。グルジア大統領のミハイル・サーカシビリが「未承認国家」である南オセチアに対し軍事攻撃を仕掛けたことを利用するかのごとく、ロシア軍は反撃に出て、またたく間に南オセチアばかりでなくもう一つの「未承認国家」であるアブハジアまで軍事支配下に収めた。メドベージェフ大統領は、これら両地域を国家承認した。12年3月時点でロシア同様これら2地域の国家承認に踏み切っているのは、次の4カ国のみである。ニカラグア、ベネズエラ、ナウル。ツバルはアブハジアを承認したが、南オセチアは承認していない。