ソ連邦解体後に創設された独立国家共同体(CIS)加盟国のなかで、親欧米、反ロシア的色彩の濃い4カ国が形成中の組織。1997年にグルジア(現・ジョージア)、ウクライナ、アゼルバイジャン、モルドバが結成、これら4カ国の頭文字をとってGUAMと名づけられた。ウズベキスタンが参加していた期間(1999~2004年)は、GUUAMと呼ばれていた。GUAMはCISや「CIS集団安全保障条約機構」(CSTO ロシア、中央アジア5カ国、アルメニアが参加)と表向きでは競争関係に立たないと主張する。が、GUAMは事実上ロシア主導のCISやCSTOに対するライバル集団にほかならない。GUAM加盟国のうち3カ国は、さらに以下のような動きに出た。まず、05年、グルジア、ウクライナ、モルドバ3カ国の首脳は、「民主的選択共同体」(Community of Democratic Choice)と名乗る組織を立ち上げた。これら3カ国以外に同組織に加わったのは、バルト三国、旧東欧圏のマケドニア、スロベニア、ルーマニア。さらに、06年、GUAMは自らを「民主主義と経済発展のための組織―GUAM」へと改組すると発表。新組織は、欧米型民主主義の実現をうたう憲章を採択し、ヨーロッパおよび北大西洋条約機構(NATO)との統合をその目標に掲げ、将来、平和維持部隊を創設する意図も明らかにした。