2000年2月9日に締結されたロシアと朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による二国間条約。全12条。第二次世界大戦後の朝鮮半島の政治的分断をめぐって、ソ連が北朝鮮を支援して以来、両国は社会主義諸国どうしの密接な関係を構築。しかし、ソ連のゴルバチョフ政権が「新思考外交」のもと韓国と国交樹立(1990年)したのを機に、北朝鮮との二国間関係は悪化。さらにソ連解体によって北朝鮮への軍事・経済的な支援が大幅に縮小され、ロシアのエリツィン政権のもとでは冷戦時代から続いていた軍事同盟規定のあった「ソ朝友好協力相互援助条約」(61年締結)は死文化、96年に失効した。二国間関係の立て直しのためロシアと北朝鮮の間で締結された2000年の条約では、旧条約にあった締結国の一方が第三国から攻撃を受けた場合、もう一方が軍事的に支援するとの同盟関係条項は外され、「締約国の一方に攻撃の危険が及んだ場合(中略)、締約国は速やかに相互に連絡をとる」との規定にとどまった。