2012年に発足したプーチン政権下で新設された、東シベリア・極東地域の開発および経済振興を目的とする官庁。同年5月に閣僚ポストとして「極東開発担当大臣」を新設。同職は、ビクトル・イシャーエフ極東連邦管区大統領全権代表(前ハバロフスク地方知事)が兼務。本部はハバロフスクに置かれるが、モスクワにも出先機関を設置。大統領選挙期間を含めた12年前半期、政府筋より示された「東シベリア・極東開発公社」構想が、経済分野の実務家・有識者からの反論もあって次第に立ち消えていった一方、急きょ、新省設置が先行して実現した。ロシアのアジア重視政策の一環として、シベリア・極東地域への国家プログラムや投資プロジェクトの調整を担うと目される。その後、プーチン大統領による「公社」構想への回帰示唆(12年11月)など開発体制について紆余曲折があり、13年8月にはイシャーエフが大統領全権代表および閣僚ポストから引退。後任のトルトネフ極東連邦管区大統領全権代表(副首相兼任)およびガルシカ極東発展相のもと、14年4月までに投資プロジェクトに関する選抜・調整などで極東発展省の権限強化を見据えた国家プログラムの変更をめざす。