2012年7月、外国からの資金を受け取っている政治系NPOの活動を規制する法律が議会を通過、プーチン大統領の署名により成立した(発効は11月)。同法では、上記のような「外国のエージェントの機能を果たすNPO」に対し、外国からの資金を含めた収支関係の報告を定期的に政府に行うことや、刊行物やウェブサイトで「外国のエージェント」であると表示することを義務付け、悪意のある不履行に対しては刑事責任が伴うこととされた。関連して、9月には長年ロシア国内の市民団体・政治系NPOを支援してきたアメリカ国際開発庁(USAID)の活動停止をロシア側がアメリカ政府に通告、USAIDは撤退した。このような規制強化の背景には、過去の旧ソ連諸国での「カラー革命」のように、欧米諸国からの支援や扇動が国内秩序を動揺させたとの疑念が政権側にあり、近年の「反プーチン集会」にみられる野党勢力の隆盛に歯止めをかけるねらいがあると考えられる。