2014年7月17日、ウクライナ東部のドネツク州上空を飛行していたアムステルダム発クアラルンプール行きのマレーシア航空機(ボーイング777型)が撃墜され、乗客283人・乗員15人全員が死亡した事件。14年に始まったウクライナ危機が続く中、ウクライナからの自立を目指す親ロシア派武装勢力が実効支配をしていた領域で撃墜されたことから、当初から親ロシア派勢力による犯行説が有力視されていた。アメリカは旧ソビエト連邦(ソ連)製の地対空ミサイル「BUK」による撃墜と発表。だが、9月にオランダ安全委員会が主導した調査中間報告では主犯の特定は見送られた。その後もドイツの非営利団体やメディアが独自の調査結果を公表しているが、15年1月になっても真相は不明なままとなっている。この事件をきっかけに欧州諸国での反ロシア感情が強まり、ロシアに対する制裁強化を進めるうえでの追い風となった。