2016年12月15~16日、ロシアのプーチン大統領は実務訪問賓客として訪日(同国大統領の訪日は10年11月のAPEC首脳会合時のメドベージェフ以来6年ぶり。プーチン個人は09年5月、首相在任時の訪日以来7年ぶり。大統領としてのプーチンは05年11月以来11年ぶりの訪日)。初日は山口県長門市(安倍晋三首相の地元)に滞在し主として北方領土問題を含む平和条約締結問題について協議。2日目には東京へ移動し安全保障・経済・人的交流などを含めた二国間・国際問題についても協議した。日本側にとって最大の焦点であった北方領土問題について、プーチンは訪日直前に「私たち(=ロシア側)にはいかなる領土問題も存在しない」と発言。日本側が期待していた領土問題でのロシア側からの譲歩は一切なく、首脳同士による共同声明の発表も見送られた(共同記者会見席上で配布されたのは簡単な「プレス向け声明」2本のみ)。他方、「特別な制度」の下での北方領土における「共同経済活動」に関する協議の開始、墓参のための北方領土への渡航の簡素化など一定の方針も示された。