2007年1月1日、ルーマニア、ブルガリアがEU(欧州連合)に加盟し、EUは27カ国となった。欧州憲法条約の批准拒否で、EU拡大は失速すると見なされたものの、07年にはクロアチア、マケドニアの加盟交渉も進み、07年12月31日には、中・東欧の8カ国がシェンゲン協定に加盟し、同日に陸路・海路の国境開放、08年3月末に空路の国境開放が実施された。09年のチェコ議長国の年には、クロアチアのEU加盟が目指されている。トルコのEU加盟については、欧州議会選挙を巡る国民投票での批准拒否や、トルコ加盟に危惧や反対を示すEU加盟国の民意を反映して慎重になり、ここ10年は加盟可能性は薄れたとされている。こうした中、07年6月、ドイツ議長国の欧州理事会では、欧州憲法条約のエッセンスを盛り込んだ「改革条約」の策定に成功した。改革条約では、これまでの経緯と共に、6月の理事会の合意事項、新条約の形態と名称、機構改革に関する変更点として、常任議長、EU外交・安全保障上級代表の設置、欧州委員会の委員数削減、理事会の議決方法の変更、欧州議会の議席数設定、加盟国議会の権限強化、オプトアウト(適用除外)、および今後のロードマップと課題が記されている。