ユーロは、2008年も対ドル比で強い役割を持っており、その国際的シェアはドルには及ばないものの、ドル安ユーロ高の中、東南アジアや中国でもユーロへの買い替えやユーロ保有の動きも進み、徐々に国際通貨としての力をつけてきている。07年にはスロベニアがユーロ圏に加盟、08年にはキプロスとマルタ、09年にはスロバキアが加盟し、バルト三国もユーロ加盟を目指している。中・東欧諸国では、概して周辺の先進国(北欧やドイツなど)の援助がある小国(バルト諸国など)で経済・金融体制が整いつつある。他方、1990年代初期には経済的に先進地域とされた中欧諸国は、2010年ごろの加盟と見なされている。とくにポーランド、ハンガリーに経済政策の遅れが見られる。ハンガリーでは社会党政権が継続2期目に入り経済改革に乗り出したが、国民の生活面での不満は強く、改革は難航している。