1956年のソ連の第20回共産党大会でのスターリン批判以来、2006年で50周年であった。自由化した中・東欧にとって、06年は、ソ連型社会主義に対し多様な形で異議申し立てを行ったことを祝う50周年でもあった。中でもハンガリーは、1956年事件をソ連からの自立の最初の年と位置づけて半世紀を祝った。ハンガリーでは、スターリン批判とポーランドのポズナニ暴動を契機に、小スターリンと呼ばれたラーコシ体制が崩れ、ナジ・イムレが復権して首相についた。当時の民衆の要求は、ほかの東欧諸国でも唱えられることがなかった三つの要求=「ソ連軍の撤退、ソ連型社会主義体制からの離脱、中立・独立」を訴えた点で、89年の「東欧革命」のプロローグとされる。