EU(欧州連合)加盟後、中欧の下位地域の協力関係が継続されるか否かについて関心がもたれていたが、EUの中での中欧地域協力、特にビシェグラード地域(チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア)では、協力関係が機能している。EU憲法条約に対する態度、EU予算の配分の早期採択要請、ウクライナやセルビア・モンテネグロなどへの拡大の加速要請など、中欧諸国が共同利害をもち、EU内で結束して事にあたる必要が出てきているためである。こうした中、ハンガリーが、旧来のビシェグラード4カ国地域協力にオーストリアとスロベニアを入れる提案を行ったり、西バルカンでは、中欧経済の安定と発展に学び、中欧自由貿易協定(CEFTA)を再編してバルカン半島の自由貿易協定とするなど、EU加盟後、政治・経済・戦略面での地域協力再編が、改めて行われつつある。