ビシェグラード地域協力は、1990年、ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア(当時)の首脳が集まり、互いに政治・安保・経済の協力を誓って形成された組織。93年にチェコとスロバキアが分裂して、4カ国となった。91年8月のソ連のクーデターやユーゴスラビアの民族地域紛争の勃発後、特にロシアや周辺の地域紛争に対する安全保障を目指して結束し、中・東欧がNATO(北大西洋条約機構)・EU(欧州連合)に加盟する推進母体となった。中欧3カ国(ポーランド、ハンガリー、チェコ)が99年にほかの地域に先駆けてNATOに加盟し、また2004年に向けてEU加盟をリードしえたのも、ビシェグラード地域協力の結束が大きい。04年の加盟後はこうした協力関係を解消するかどうか注目されたが、現状では、EU内部での協力関係を重視し、共同関係を継続している。