リトアニア、エストニア、ラトビアの3カ国は、戦間期に短い独立を達成した後、独ソ不可侵条約締結の秘密条項により1940年にソ連に併合された国々である。91年、リトアニアの「血の日曜日事件」に象徴されるように、各国はソ連の治安部隊と流血の対立をしながら独立を勝ち取った。これらの国は地政学的に、ロシア、ポーランド、ドイツのはざまにあり、周辺大国の侵略と支配の中、自立と独立を維持するしたたかさをもっている。宗教的には、エストニアとラトビアはプロテスタント、リトアニアはカトリック、エストニアとラトビアは北欧経済圏、リトアニアおよびラトビアの海岸部はロシアとの関係が深い。2004年にともにNATO(北大西洋条約機構)、EU(欧州連合)に加盟し、ロシア人マイノリティーの問題を抱えつつも、経済的には安定的発展をとげている。