ハンガリーで2009年3月、経済運営失敗の責任を取り、ジュルチャーニ首相が辞任したこと。同国は「東欧の優等生」と呼ばれていたが、08年秋、世界的な金融危機のあおりを受けて経済危機に陥り、通貨フォリントが急落した。このため西欧資本の銀行から住宅ローンなどを借りていた市民が直撃を受け、月々の返済ができなくなった人たちが続出した。政府は国際通貨基金(IMF)の支援を受け入れ、経済立て直しに努めたが、支持率は低迷状態に陥った。ハンガリーでは、06年の総選挙で社会党が勝利し、初の2期目政権を勝ち取ったが、09年の経済成長率が実質マイナスに落ち込むことが明らかになり、ジュルチャーニ首相は同年3月、党大会で辞意を表明した。4月14日、国会で内閣不信任案が可決され、バイナイ新首相が選出された。