2010年4月にポーランド政府専用機の墜落でレフ・カチンスキ大統領(当時)が死去したことに伴い、大統領選挙が行われた。7月4日、決選投票の結果、与党「市民プラットホーム」のブロニスワフ・コモロフスキ下院議長(1952年生まれ)が、最大野党「法と正義」党首のヤロスワフ・カチンスキ前首相を破って当選した。両党はともに保守系だが、コモロフスキは市場経済や協調外交を優先し、ヤロスワフは愛国主義を訴えて対決した。ヤロスワフは故カチンスキ大統領の双子の兄で、同情票を集めて6月20日の第1回投票で2位に食い込み、決選投票に持ち込んだが、小差で敗れた。大統領任期は5年。コモロフスキ新大統領はワルシャワ大学歴史学部を卒業後、労働者支援活動などに従事し、反体制活動で逮捕されたこともある。民主化後の1991年の下院選で初当選、国防相などを経て2007年に下院議長に就任。カチンスキ大統領が死去した後は、大統領代行を兼務していた。