任期満了に伴い2010年5月28~29日に行われたチェコの下院総選挙。即日開票の結果、社会民主党(中道左派)が第1党になったが、得票率は約22%にとどまり、共産党(左派)と連立を組んでも過半数に届かないことから敗北を表明した。第2党となった市民民主党(中道右派)を中心に、いずれも新党で中道右派の「TOP09」と「公共の物(VV)」が連立政権構築に合意。7月13日、ネチャス市民民主党党首を首相とする新政権が発足した。選挙戦では、財政赤字によるギリシャ危機の中、社会民主党は高所得者の税率引き上げなどを原資に社会保障の充実を図ると主張したが、市民民主党は財政赤字削減を公約に掲げ、社会民主党を批判していた。09年3月にトポラーネク市民民主党政権の不信任決議案が下院で可決され、同政権は総辞職し、選挙管理内閣が続いていた。ネチャス新政権の発足で政治が安定するかと思われたが、10年10月末の上院選挙で最大野党の社会民主党が票を伸ばし、上下両院に「ねじれ」が発生した。