ハンガリー西部のアルミニウム精錬工場で2010年10月4日、赤い有毒汚泥が流出し、死傷者が出た事故。丘陵地帯にある工場の廃液貯水池の堤防が破れ、強いアルカリ性の化学物質を含んだ赤褐色の汚泥が、コロンタール村に押し寄せた。流出した汚泥の量は東京ドームの容積の約半分の約70万立方メートルにのぼり、周辺3町村で9人がおぼれるなどして死亡、約120人が病院に運ばれた。さらに、汚泥は約70キロ離れたドナウ川にも到達し、下流のセルビア、クロアチア、ルーマニアで環境破壊や健康被害への不安が広がっている。捜査当局は人為的ミスによる事故の可能性があるとして工場所有会社の社長を拘束して取り調べた。