アメリカが主導するミサイル防衛(MD)システムを東欧に配備する問題。アメリカ政府は2013年10月28日、ルーマニア南部のデベセル空軍基地で弾道ミサイルを迎撃する基地の建設を開始した。地上発射型の迎撃ミサイルSM3(射程約3000キロ)と前方展開のXバンドレーダーを配備し、15年に運用を開始する予定。また、ポーランドにも18年に射程5000キロのSM3やレーダーを配備する計画だ。アメリカ側は東欧配備計画を発表したブッシュ前政権当時から、イランの核ミサイル開発に対抗するためと説明しているが、ロシアは東欧にミサイル基地が建設されれば核攻撃力が損なわれると強く反発。オバマ政権は09年、配備計画を見直し、短・中距離の弾道ミサイルに備えた計画にトーンダウンしている。