2011年10月9日に行われたポーランドの総選挙(下院、定数460)。トゥスク首相の率いる中道保守の最大与党「市民プラットフォーム」が第1党の座を維持した。1989年の民主化後、与党が議会選で連勝したのは初めて。開票の結果、最大与党が207議席を獲得し、カチンスキ前首相が率いる最大野党の「法と正義」の136議席を上回った。第3党は、タブー視されていたカトリック教会批判など過激な政策を掲げた新党「パリコト運動」で41議席だった。トゥスク政権は連立相手の「ポーランド農民党」の議席と合わせ、過半数を確保した。トゥスク政権の勝因は、世界的な不況の中で欧州連合(EU)で唯一、国内総生産(GDP)のプラス成長を維持した実績が評価されたことが大きい。また、カチンスキ前首相がこれまで以上に愛国主義的傾向を強めているため、有権者が嫌ったとの見方もある。