ラトビアで2011年9月17日に投票が行われた総選挙(定数100)。開票の結果、ロシア系住民が支持する政党「調和センター」が31議席を獲得し、第1党となった。ラトビアが1991年にソ連から独立して以来、親ロシア派政党が第1党となるのは初めて。第2党はザトレルス前大統領の新党・改革党で22議席、第3党はドムブロフスキス首相が率いる与党連合「統一」の20議席だった。この結果を受け、ラトビア人が支持する中道右派の両党が連立政権を樹立し、親ロシア派の与党を阻んだ。
ラトビア人は人口の約6割を占め、ロシア語を母語とするロシア系住民は約3割。親ロシア派政党は2008年のリーマン・ショック以降、緊縮財政やユーロ導入に反対したため、現政権に批判的なラトビア人の間にも支持を広げた。今回の躍進でドムブロフスキス政権が目指す14年のユーロ導入などに微妙な影響が出そうだ。今回の選挙は、新興財閥総帥の議員の汚職疑惑に絡み、ザトレルス前大統領が議会を解散したことから繰り上げ選挙となった。