コソボの新大統領に2011年4月7日、警察官僚出身のアティフェテ・ヤヒヤガが就任した。同日開かれた議会で選出されたもので、08年のセルビアからの独立宣言以来、女性の大統領は初めて。ヤヒヤガ新大統領はコソボ警察のナンバー2で、所属政党も政治経験もない。就任直後、「昨日まで大統領になるとは思っていなかったが、今は国に尽くす用意ができている」と語った。大学で法律を学んだあと、警察に入り通訳や国境警備を経験した。アメリカの司法省と連邦捜査局(FBI)の専門研修に参加するなど、アメリカとのかかわりが深く、大統領の人選をめぐる与野党対立を仲介したアメリカが白羽の矢を立てたと見られる。コソボでは政治の実権は首相にあり、大統領は主に儀礼的な仕事をする。だが、新大統領はコソボ独立を認めていないセルビアとの直接対話に積極的に関与する意向を示している。議会は11年2月、大統領に実業家のパツォーリを選出したが、パツォーリ大統領は、選出過程が憲法に違反しているとの憲法裁判所の判断を受けて3月末に辞任していた。