セルビアで2012年5月20日に行われた大統領選の決戦投票。即日開票の結果、1回目の投票で小差の2位だった反緊縮派の野党セルビア進歩党のニコリッチ党首が逆転で与党・民主党のタディッチ党首を破り初当選した。タディッチ大統領(当時)が任期を10カ月残して辞任したため大統領選は12年4月4日に行われた。12人が立候補し、投開票の結果、タディッチ候補とニコリッチ候補が1、2位を占め、上位2人による決選投票となった。セルビアは金融危機からの景気回復に手間どり、失業率が25%にも達している。このためEU加盟の成否が国の未来にとって重要な問題となっている。その一方、民族紛争の末、セルビアから分離独立を宣言したコソボとの関係正常化をEUから求められている。セルビアは今後もコソボの国家承認を拒否しながら、国境管理や関税徴収などの実務面においては協力関係を築いていく方針だ。