ルーマニアで2012年、ユーロ危機のあおりを受け首相の辞任が相次いだ。12年2月6日、ボック首相は緊縮政策に反対するデモが続発するなど、国民の不満が強まったため辞任を表明した。これを受け、議会は同9日、バセスク大統領が新首相に指名したウングレアーヌ氏を首班とする中道右派内閣を賛成多数で承認した。しかし、新政権も緊縮政策を続けたため、議会は4月27日、ウングレアーヌ内閣に対する不信任案を可決した。大統領は次期首相に中道左派の最大野党・社会民主党のポンタ党首を指名、議会もこれを承認した。その後、中道左派政権は緊縮財政をめぐって大統領と激しく対立。7月6日、大統領が権限を越えて緊縮政策を進めたとして大統領職停止決議が議会で可決された。政権側は同29日、大統領の罷免の是非を問う国民投票を実施したが、成立に必要な投票率に達せず、追い落としは失敗した。