2014年6月、コソボで議会解散により行われた総選挙。開票の結果、ハシム・サチ前首相率いるコソボ民主党がわずかな差で第1党となったが、同年7月に第2党のコソボ民主同盟、第4党のコソボ将来同盟、第6党のコソボ・イニシアティブが連立に合意して議長を選出した。しかし、憲法裁判所がこの選出を無効とする判断を示し、新政府発足の見通しが立たない状況が続いた。11月後半、コソボ民主党とコソボ民主同盟との間で連立合意が成立。この結果、12月9日にコソボ民主同盟党首のイサ・ムスタファを首相とし、両党に少数民族政党を加えた連立政権が発足した。内政の課題とされるのは、加盟を目指すEU(欧州連合)の基本原則である「法の支配」の確立と、コソボ独立に反対するセルビア系住民との融和。このうち法の支配については、EUによるミッション「EULEX」が08年2月からコソボに派遣され、約2000人の警察官、税関職員、司法専門家らが、汚職や組織犯罪などの取り締まりなどに携わっている。