エストニアの首相が約9年の長期政権を務めたアンドルス・アンシプから2014年3月、タービ・ロイバスに替わったこと。アンシプ前首相は中道右派の改革党を率いて05年4月から政権を担い、08年のリーマン・ショックに際しても、国内経済の立て直しを優先し、安定的な成長基盤を築いた。また、10年12月にはOECD加盟、翌11年1月には、ユーロ導入も達成した。15年3月に予定されていた総選挙を前に辞任したのは、首相を替えることで党勢立て直しを図る狙いがあったと見られている。後任のロイバスは34歳で、EU(欧州連合)加盟28カ国中最年少の首相となった。ロイバス政権は、新たに社会民主党と連立を組み、前政権の基本路線を踏襲しながらも、労働関連税の引き下げ、児童手当の増額など、社会政策の強化を推進した。15年の総選挙でも改革党は第1党を維持し、ロイバス首相は新たに成立した社民党と祖国共和同盟との連立政権でも首相に再選された。