下院の解散に伴い、2017年10月20、21日にチェコで行われた総選挙(定数200)。即日開票の結果、実業家で「チェコのトランプ」と呼ばれるアンドレイ・バビシュが率いる連立与党の「ANO2011」(中道右派)が約3割の得票を得て第1党となった。バビシュは国内第2位とされる富豪で、「反エリート」を前面に出し、大胆な議員削減を打ち出している。対外的には難民受け入れ反対を掲げ、欧州連合(EU)の単一通貨ユーロの早期導入に消極的とされる。新自由主義を掲げ、中道右派でEU懐疑派の「市民民主党(ODS)」は第2位に、日系下院議員のトミオ・オカムラ率いる極右政党「自由と直接民主主義(SPD)」も第3位に躍進した。前政権で最大与党だった「社会民主党(CSSD)」は6位と大敗。連立交渉に失敗したバビシュは少数与党のまま単独で組閣を断行。12月13日、新政権を発足させた。一方、チェコ大統領選挙の決選投票は18年1月27日に開票され、現職のミロシュ・ゼマンが再選を果たした。ゼマンは親ロシア派で、移民排斥を強調。バビシュ支持を表明している。