2016年11月13日に行われたのが、任期満了に伴うブルガリア大統領選の決選投票。開票の結果、親ロシア派の野党・社会党の支持を受けたルメン・ラデフ前空軍司令官が、中道右派の与党「欧州発展のためのブルガリア市民(GERB)」の推したツェツカ・ツァチェバ議会議長を破って当選した。これを受け、GERBのボイコ・ボリソフ首相が敗北の責任を取って内閣を総辞職したため、翌17年3月26日、前倒しで総選挙が行われた。しかし、ボリソフ前首相が率いるGERBが再び第1党となり、社会党の政権奪回は成らなかった。ラデフ新大統領は欧州統合を支持する一方、経済の結びつきが強く、エネルギーを依存するロシアともバランスの取れた関係が必要と主張している。だが、欧州連合(EU)協調路線を取るGERBが第1党を維持したことで、同国の親欧路線は継続されることになった。