2017年6月11日、コソボで行われた総選挙(定数120)。開票の結果、中道右派の「コソボ民主党(PDK)」を中心とする政党連合が得票率約34%で最大勢力になった。ナショナリズムを強調する政党連合「自己決定運動(VV)」が得票率27%で第2勢力になり、前政権を主導した「コソボ民主同盟(LDK)」を中心とする政党連合を1%上回った。だが、どの勢力も過半数を取れず、政権づくりは難航。同年9月、与党政党連合はベフジェット・パッツォーリ元大統領率いる「新コソボ同盟(AKR)」との間で連立合意が成立し、元首相で「コソボ未来同盟(AAK)」党首のラムシュ・ハラディナイが首相指名を受けた。ハラディナイはコソボ紛争時、武装勢力のリーダーで、セルビアから指名手配を受けている。コソボは15年にセルビアとの和解に合意したが、合意の実施や隣国モンテネグロとの国境画定に時間がかかっている。議会選挙は08年にセルビアからの独立を宣言して以来、3回目。14年から連立を組んでいた政権与党コソボ民主党とコソボ民主同盟が決裂し、17年5月にイーサ・ムスタファ内閣に対する不信任案が可決されたため、再び総選挙に持ち込まれた。30%を超える失業率や民族対立、極右政党の台頭、セルビアとの関係改善など、課題が山積している。