リトアニアで2016年10月23日、任期満了に伴って行われた総選挙(1院制、定数141)。即日開票の結果、中道右派の野党「農民・グリーン同盟」が54議席を獲得、第1党になった。第2党は31議席を獲得した祖国同盟・キリスト教民主党、与党の社会民主党は17議席にとどまり、第3党に転落した。農民・グリーン同盟は社会民主党と連立政権を形成、サウリウス・スクバルネリスを首相として、社会問題の対策、アルコールとたばこ規制、汚職犯罪の厳罰化、国営企業の削減などに取り組んだ。農民・グリーン同盟のルムナス・カルバウスキス党首は選挙戦で、アルコール飲料の専売化などの経済活性案を打ち出しており、10年前の半分以下に減速する国内経済を心配する国民の要請に応えたと言える。しかし、17年9月、社会民主党の地方支部選挙を契機として党内が分裂。同党は連立政権を離脱した。リトアニアは04年3月、北大西洋条約機構(NATO)に加盟、同5月には欧州連合(EU)加盟も果たすなど、ロシアの脅威を背景に、外交的には一貫して親欧路線を継承している。