1975年7月にアルバニアを除く全ヨーロッパ諸国にアメリカ、カナダを加えた35カ国の首脳が参加し、ヨーロッパの緊張緩和と相互安全保障について討議するためヘルシンキで開いた欧州安全保障協力会議(CSCE)を前身とする組織。95年1月1日から常設化され、名称を会議から機構へと変更した。2010年末現在の加盟国は56カ国。1975年の会議最終文書は通称ヘルシンキ宣言と呼ばれ、とくに安全保障で国境の不可侵をうたい、当時のデタント(緊張緩和)精神を象徴するものとなった。冷戦後は新たにアルバニアや旧ソ連・旧ユーゴスラビア諸国を加え、全ヨーロッパの新しい安全保障メカニズムとしての期待を担って再出発した。カバーする地理的領域の広さ、安全保障・経済・人権と扱う範囲が広いことなど、その本来の特性を生かして早期警戒、紛争防止、危機管理、紛争後復興の機能を担う。また、OSCE安全保障協力フォーラム(FSC)が軍縮や信頼醸成交渉を扱う。しかし、その存在意義の希薄化は否定できず、改革を求める声があがっている。