シラク大統領の任期切れにともなうフランス大統領選挙の第1回投票が2007年4月22日に実施され、国民運動連合(UMP)党首のニコラ・サルコジ候補が第1位、社会党のセゴレーヌ・ロワイヤル候補が第2位、第3位には中道派のバイル候補が入った。上位2人による決選投票(第2回投票)が同年5月6日に行われた結果、サルコジ候補が53.6%の得票率で勝利を収め、第5共和制の第6代大統領に就任することとなった。フランス史上初の女性大統領になる可能性を取りざたされてきたロワイヤル候補の得票率は46.94%にとどまり、ミッテラン大統領以来、2度目の社会党出身大統領の誕生は果たせずに終わった。また、前回の大統領選挙の決選投票にコマを進め世界を驚かせた極右の国民戦線(FN)党首ジャン=マリ・ルペン候補は、第1回投票で第2位に届かず、敗退を余儀なくされた。第2回投票では、バイル候補に投じられた中道支持票をどちらが取り込むかに関心が向けられたが、対立軸を明確に示せなかったロワイヤル候補に対して、国際競争力の強化と社会秩序の確立を訴えたサルコジ候補が、中道票と極右票の獲得に成功し、勝利に結びつけた。