2006年1月にドビルパン内閣(当時)は機会均等法を発表、その第8条で26歳未満の若者を雇った場合、2年間の試用期間中は理由を示さずに解雇できることが規定されたことから学生や若者の不満が爆発し、ソルボンヌ大学が占拠されるという事態に発展した。経営者に一方的な解雇権を与えるCPE(Contrat de Premire Embauche 仏)制度の導入は、(1)経済のグローバル化によって国際競争力を失うことを恐れる政府が、使いやすい労働力を企業に与え、競争力の強化を図ること、(2)23%に達する若者の失業率を緩和し、若者の雇用機会を増やすこと、を狙ったものであった。しかし、この狙いとは裏腹に学生や若者たちは経営者の言いなりになることを強いる悪法ととらえ、大規模な反対運動を展開、これに社会党などの野党勢力も加わって全国的規模の広がりを見せることとなった。3月18日には100万人規模の街頭デモに発展、強気の姿勢を崩さなかった政府も4月10日にCPEの撤回を決定したため、3カ月余に及んだ抗議運動もようやく終息した。しかし、CPEの強行を主張したドビルパン首相の打撃は大きく、07年の大統領選挙の候補として生き残れるかどうかの瀬戸際に立たされる結果となった。