2004年から05年にかけて実施されたドイツの地方選挙で、与党の社会民主党(SPD)は軒並み得票率を下げ、05年5月のノルトライン・ベストファーレン州議会選挙で惨敗し、39年ぶりに第1党の地位を失ったことから、シュレーダー首相(当時)は06年9月の任期満了を待たずに連邦議会を解散することを決断、7月1日に議会に提出した信任動議が賛成少数で否決されたことを受けて解散・総選挙の実施が確定した。05年9月18日に実施された総選挙では、女性のアンゲラ・メルケルが率いる保守系野党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が得票率35.2%(226議席)で勝利を収め、1997年の総選挙で敗れて以来8年ぶりに第1党に返り咲いた。事前の支持率調査でCDU/CSUに引き離されていたもののSPDは34.2%の得票率を獲得した。CDU/CSUとSPDとの議席差は4という接戦の結果、両党は共に勝利宣言をし、シュレーダー首相とメルケルの双方とも首相就任を譲らず連立交渉は難航した。最終的には、長い交渉の末、第1党のCDU/CSUを率いるメルケルを首相とする戦後2回目の大連立政権が誕生した。