2005年12月に改正されたイタリアの新選挙法。1993年制定の旧選挙法が上下院とも小選挙区制を大幅に取り入れたもの(小選挙区75%、比例区25%の並立制)であったのに対し、新選挙法はすべて比例代表制に戻すという内容。ただし今回の改正は議席獲得条件によって、連合を促す内容になっており、まったくの逆行とはいえない。2006年4月の総選挙で劣勢にあると見た与党中道右派連合が、自連合(4党)に有利と急きょ成立させた。伝統的に比例代表制をとってきたイタリアでは小党乱立が続いたため、連立政権が長続きせず、加えて政党の一大汚職事件が発覚したために、1993年の選挙法改正となった。以後、各党が左右二極化する傾向を示しており、この変化は「第2共和制」の成立と呼ばれる。しかし、二大政党連合の下でも、依然、小党乱立状態は続いている。2006年発足のプロディ政権(当時)下では再び、完全比例代表制を改める選挙法改正案が論議されたが、連合内の小党の反対で失敗した。