2008年4月の総選挙の結果、イタリアで発足した政権。総選挙では、シルヴィオ・ベルルスコーニを代表とする中道右派連合が、上下両院で左派の民主党に大勝し、安定政権を確立した。ベルルスコーニ政権は第4次、彼自身の登板は3度目となる。連合には、もとファシスト党の流れをくむ国民同盟などと作った新党「自由の国民」を軸に、富裕な北部を地盤として分離独立まで主張する北部同盟が加わる。完全比例代表制への変更にもかかわらず、2大政党制への大きな流れは変わらなかった。大躍進をした北部同盟は、独立とまではいかずとも、連邦制度の導入を主張し、移民に対しては排外主義的主張が強い。その北部同盟には、連邦改革相や内相ポストなどが与えられた。実際、政権は発足直後から強硬な移民規制・治安強化法案を発表した。しかし、その後、首相には女性スキャンダルや失言が相次ぎ、10年には「自由の国民」のナンバー2である、フィーニ元国民同盟党首が離脱して新会派を立ち上げたため、政局は流動化した。10年末、かろうじて上院の信任決議を勝ち取り、下院の不信任決議案をはねのけている。