2008年12月6日の夜、アテネ中心部の学生街で、15歳の少年が警官に「射殺」された事件をきっかけに、ギリシャ全土に発生した暴動のこと。警察側は、少年約30人に取り囲まれたパトカーの警官が警告発砲を行ったところ、それが跳ね返って1人の少年に命中し、少年が死亡した、と主張している。この事件をきっかけに首都で起こった暴動は、瞬く間にギリシャ全土(10都市以上)に拡大した。各地でデモ隊と警察隊の衝突が発生した。10日には主要労組による24時間ゼネストも始められ、12月末までの首都アテネでの被害総額は10億ドルを超えたといわれる。この背景には、カラマンリス中道右派政権がとった財政再建策への不満がある。規制緩和で貧富の格差は拡大。失業者が増え、特に若年層に不満がつのっていた。09年1月に入り、警察隊に発砲された弾頭から、国内過激左派グループ「革命闘争」の関与も指摘されている。