2010年6月に行われたオランダ議会の総選挙。移民排斥を訴える極右政党である自由党が予想外の大躍進をとげ、組閣は難航した。総選挙から4カ月後の9月になって、ようやく中道右派の自由民主党(第1党)とキリスト教民主勢力が、少数与党の連立政権を立ち上げた。自由党は閣外協力をする。前連立政権はアフガニスタンからの撤退を巡って意見が対立し、10年2月に崩壊した。オランダは04年から2000人の兵士をアフガン南部ウルズガン州に派遣していたが、厭戦気分が強く、結局、撤退は総選挙前に確定している。撤退は10年8月から開始され、年内に完了した。NATO(北大西洋条約機構)加盟国の中では初めてのアフガンからの撤退となり、他の国への影響は必至である。