スペイン、カタルーニャ州の分離主義運動のこと。カタルーニャはスペインの中でも最も豊かな地域で、人口はスペイン全体の15%以下だが、そのGDPは全体の20%以上を計上する。にもかかわらず、欧州債務危機のあおりを受け、景気は低迷、失業率も高く、公的サービスの一部停止に追い込まれている。これは州GDPの9%以上が中央に税収移転されているためだとして、住民の多くが不公正感を抱き、独立要求を強めているのだ。しかし、この独立運動はバスク地方の分離主義とは異なり、暴力なしの新しい顔を見せている。2012年9月、首都バルセロナで行われた独立を主張するデモに、実に150万人以上が集まったが、人々は陽気でお祭り気分であった。ただ、マス州首相は14年に独立を問う住民投票を実施する方針だが、中央政府はこれを憲法違反として認めていない。完全な独立となれば国内他地域との通商に支障をきたす上に、自動的にEUに加盟できるわけでもない。当面の争点は徴税権の州政府への移譲、とも言われたが、ラホイ首相にはこれも認められない。こうした中央・地方の軋轢(あつれき)が、一国の債務危機克服の足かせになっている現象は、ヨーロッパ各地で目立つようになっている。