ギリシャの極右政党。結党は1990年代初期で、当時は目立たない存在だったが、近年、ギリシャの財政危機や失業率の上昇という背景の中で党勢を一気に伸ばしてきた。2012年5月の総選挙では、300議席中18議席を獲得している。09年秋、ギリシャでの国家財政の粉飾が発覚したことを発端に、これがユーロの信認低下、「ユーロ危機」に進展した。以後、ギリシャには、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)などからの金融支援の代わりに、厳しい歳出削減策が要求されてきた。これに対する国内の不満は上記12年5月の総選挙でピークに達した。その後、緊縮推進派が政権を担い、ギリシャ危機は当面収束したが、依然、緊縮財政からの景気後退、税収減の悪循環から脱出できないでいる。こうした中、「黄金の夜明け」は強いナショナリスティックなレトリック、移民やユーロの批判、アルバニア、キプロス、トルコとの領土問題での強硬策を主張して人気を博してきた。他方で、貧困ギリシャ人への食糧配給などの活動も人気の原因であった。13年秋には、同党の支持者が反ファシズムなどを訴えてきたヒップ・ホップ歌手を殺害する事件を起こすなど、行動が過激化していることにも懸念が寄せられている。